時計も風邪をひく!?
今週は、日本各地で雪の便りも聞こえるようになりました。今年の夏の猛暑から一転して寒くなりそうです。
さて、今回は冬に向けて、時計の低温に関するお話をしたいと思います。
時計も人間と同じで、寒さに弱いです。
低温がなぜ時計に悪いかと言えば、
- 電池式なら、バッテリーの低下。電池の出力が落ちて、時計が遅れたり止まったりすることがあります。
- 内部で使用している時計油が低温で固くなり、機能が低下する、時間が遅れる。時計油は、摩擦を減らして部品を滑らかに動かす役割がありますが、冷えると粘度が上がって動きが悪くなります。
- 他にも、寒い外から家に帰ってきたときに、時計の内部に結露することがあります。これはメガネが曇るのと同じ原理です。結露した水分が錆びのもとになったり、電子部品にショートを起こしたりする恐れがあります。
私が最近購入した時計の説明書には、5~35℃と書いてありました。これは、動作保証温度というもので、この範囲内なら正常に動くことをメーカーが保証してくれるという意味です。もちろん、この温度を超えても壊れるわけではありませんが、精度や耐久性に影響が出る可能性が高くなります。
因みに、弊社取扱いの代表的な時計油のメービス Synt-Aの動作温度はマイナス30~70℃で、固化するのはマイナス42℃以下ということですが、やはり低温では粘性が高くなるでしょう。
どこまで低温で耐えるかと言うことで思い出すのは、アポロ計画で月で使用された時計オメガ スピードマスターですが、どこまで低温になったのでしょう。地球と違って湿度がないなど条件は違うでしょうか。
以上、時計も風邪をひかないように、お気をつけて使用ください。
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